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ヴァルハラ・ライジング

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(原題:Valhalla Rising 2009年/デンマーク・イギリス合作 93分)
監督・原案/ニコラス・ウィンディング・レフン 脚本/ロイ・ジェイコブセン、ニコラス・ウィンディング・レフン 撮影/モーテン・ソーボー 編集/マシュー・ニューマン
出演/マッツ・ミケルセン、マールテン・スティーブンソン、ゲイリー・ルイス、ジェイミー・シーベス

概要とあらすじ
「ドライヴ」(2011)が第64回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、一躍世界の注目の的となったデンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン監督が、09年に手がけたバイオレンスアクション。北欧神話をベースに片目の戦士ワン・アイの戦いを描く。主演はレフン監督のデビュー作でカルト的人気の「プッシャー」3部作に続き、「007 カジノ・ロワイヤル」のマッツ・ミケルセンが務める。超自然的な力を持つ片目の戦士ワン・アイは、スコットランド人の族長バデルのもとに捕らわれていたが、バデルを殺して脱走する。旅の途中で聖地エルサレムを目指すバイキングの船に乗り込み、深い霧に包まれた航海の果てに見知らぬ大陸へたどりついたワン・アイは、そこで本当の自分を知る。(映画.comより)



独眼竜正宗的子連れ狼(ちがうか)

『ドライブ』つながりのN・W・レフンつながりで
『ヴァルハラ・ライジング』を観てみたわけですが
北欧神話をベースにしているこの作品は
北欧神話に対する基礎的な教養を必要とすると思われ
あいかわらずなんの知識も持ち合わせない僕は
歴史に対する苦手意識を克服すべく、これを機会に
いざ徹底的に北欧神話について勉強してやろうと思い立ち、
鑑賞後に北欧神話について調べ始めたのです。ネットで。

しかーし!
ひとつ調べれば、またひとつ参照するべき用語に出くわし
参照せぬわけにもいかないので、素直にそれをたどっていくと
またしても参照必須の案件に出くわす始末。
このまま北欧神話の迷宮をさまよい歩いているうちに
映画のことなどすっかり忘れてしまうのではないか!
日常生活に支障を来すのではないか!
という絶望感に苛まれ、怖じ気づいた僕は
「北欧神話」というバーの入口からちょこっと顔をのぞかせて
あ、間違えましたという感じで引き返すことにしたのでした。
ま、あくまでこの作品は北欧神話を「ベース」にしているのであって
北欧神話を忠実に映像化しているわけではないのであるからして
そんなに勉強せずとも大丈夫だよ、と自分を慰めているところです。
(そのうち、ちゃんと勉強しよう! そのうち!)

北欧神話の入口で引き返してきたそんな僕にも
いくつかわかったこともありました。
タイトルにある「ヴァルハラ」とは、
北欧神話における主神オーディンの宮殿のこと。
オーディン……わりと最近耳にした覚えが……
そう、『悪の教典』でも引用されたあのオーディンです。
戦争と死の神であり、全知全能であるオーディンは
魔術を得るために左目を失ったとされています。
すなわち、「ワン・アイ」と呼ばれる
片目の主人公(マッツ・ミケルセン)
オーディンを象徴しているのは間違いないでしょう。

この作品の全体は、6つのパートに分けられています。
「第一章 憤怒」では、
一族に囚われた奴隷戦士ワン・アイが(この時点ではまだ名前はない)
まさしく『マンディンゴ』のように、
賭けを対象とした殺し合いをやらされています。
ワン・アイは無敵を誇る強さなのですが
この第一章でのゴア表現にN・W・レフンらしさを感じます。
『ドライブ』にもあったような、
見せるべきところは隠し、見たくないものははっきり見せる演出が
ここでもみられます。

「第二章 沈黙の戦士」では、
一族を皆殺しにして脱出したワン・アイが
子どものアー(マールテン・スティーヴンソン)を連れて旅に出ますが
キリスト教を広めようとするバイキングの集団に出逢います。
このバイキングたちは、おそらく十字軍を表現していると思われ、
裸にされた女たちが固まって座っていたのは
十字軍が布教の名の下に行なったとされる蛮行(強姦や略奪)を
表現しているのではないでしょうか。

「第三章 神の民」では、
十字軍とともにエルサレムを目指すことになったワン・アイとアーが
船に乗って海を行くひたすら幻想的なシーンが続きます。
飢えに苦しむ男が海水を飲んで死んでしまいますが
しばらくしてワン・アイが水をすくうと真水でした。
陸地が近いということか。

「第四章 聖地」「第五章 地獄」では、
聖地エルサレムだと思って上陸した場所が地獄だったとわかり、
十字軍のなかで徐々に不信感が募り、仲違いが始まります。
ワン・アイはなぜか集めた石を積んでいますが
これはホルグと呼ばれる、礼拝に使われる祭壇でしょうか。
(わからんわ。うふふ)

最後の「第6章 犠牲」
十字軍の男たちが死に絶えたあと、残されたワン・アイとアーが気づくと
全身を橙褐色の泥で塗った先住民に取り囲まれています。
自ら武器を捨てたワン・アイは先住民たちに撲殺され
あとにはアーだけが残るのです。

最後に一瞬だけ表情を崩したようにも見えましたが
ワン・アイは終始無表情で、ひとこともセリフを喋りません。
それがなおさら物語を難解にさせるのですが
この作品が描いているのは
北欧神話の神がキリスト教の脅威に打ち勝った物語なのかもしれません。
エルサレムだと思っていた場所が地獄だとわかったあと、
ワン・アイはアーの口を借りて「森へ行くべきだ」と言いますが
北欧では、死者は聖なる山で生き続けるという聖山信仰があり、
「ヴァルハル」という名の山が多いそうです。
つまり、ワン・アイがたどり着いた森に「ヴァルハラ」が建設される……
それが『ヴァルハラ・ライジング』!!
キターーーー!!

……うん。北欧神話の入口を覗いただけのわりには
わりかし間違ってなさそうな気がするし
まるっきり間違ってそうな気もする。わからんわ。えへへ。
推測の域を出ないことばかりですが
唐突なゴア表現と横顔に遠景というマンガのコマ割りのような構図、
多用されるシンセ・サウンドなどに
N・W・レフンらしさが垣間見られました。
とさ。





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