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白い肌の異常な夜

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(原題:The Beguiled アメリカ/1971年 105分)
監督・製作/ドン・シーゲル 原作/トーマス・カリナン 脚本/ジョン・B・シェリー、 グライムス・グリス 撮影/ブルース・サーティース 音楽/ラロ・シフリン 編集/カール・パインジター
出演/クリント・イーストウッド、ジェラルディン・ペイジ、エリザベス・ハートマン、ジョー・アン・ハリス、パメリン・ファーディン

概要とあらすじ
南北戦争の末期。南部の林の中にある女子学園の生徒が重傷を負った北軍の兵士マクバーニーを見つけ、園内に運び込む。教師のエドウィナや女子生徒たち、そして院長マーサによってかくまわれたマクビーは次第に回復していく。しかし生徒が彼を誘惑。エドウィナがそれに嫉妬し……。監督ドン・シーゲル&主演クリント・イーストウッドのコンビによる異色のエロティック・サスペンス。(映画.comより



ハーレムが天国とは限らない

わりと最近、ソフィア・コッポラ監督による
リメイク(?)が公開された
『白い肌の異常な夜』
ソフィア嫌いなのでリメイク版は観ていませんけど。

ときは南北戦争末期。
南部の森でキノコ狩りをしていた
12歳の少女エミー(パメリン・ファーディン)
負傷して息絶え絶えになっている北軍の兵士、
マクビー伍長(クリント・イーストウッド)と遭遇し、
善意から所属する女子学園へと
マクビーを連れ帰るのでした。

当たり前だけど、イーストウッドが若くて色っぽい。
意識がもうろうとしているにもかかわらず、
とりあえずキスして12歳の少女を懐柔するあたり、
正真正銘の女ったらしなのです。
エミーがキノコ狩りをするオープニングは
ラストシーンの伏線になっているけれど、
キノコ狩り=チ●コ狩りじゃないのと思うのは
さすがに深読みですか? そうですか。

学園に運び込まれたマクビーは
マーサ園長(ジェラルディン・ペイジ)の指揮のもと、
「人道的」に治療を施されます。
南部の住人にとって
北軍の兵士をかくまうことは重大な罪なのですが、
女の園に迷い込んだマクビーを南軍に引き渡そうとはしない
マーサをはじめとする学園の女性たちは
最初から彼の男性的な魅力の虜となっているのでした。
しかもマクビーは自力で動けない重傷なので
人道的な理由が担保されたうえに
母性をも満たしてくれるという好都合な存在なのです。
とくにマーサにとってマクビーは
行方不明(?)の兄との近親相姦を思い出させる存在
で、
ヨーロッパへの憧れからフランス語を学んだりする
当時の南部における閉鎖的かつ禁欲的がゆえに
歪んだ慣習が見て取れます。

学園の女性たちにとって
「白馬の王子様」のような存在のマクビーは
憎むべき北軍の兵士だとはいえ、
本当は善人(かつセクシー)だと認識され、
マクビーもそのように振る舞いますが、
彼の戦場における逸話はねつ造されたもので
持ち前の女性を口説くテクニックを駆使して
なんとか生き延びようと画策している
のでした。
本作は、マクビーの真実を映像でフラッシュバックしたり、
女性たちの心の声をナレーションで語ったりと、
登場人物たちの本心がすぐにわかるように
懇切丁寧な作りになっておりまする。

しかーし!
自らの男性的魅力を過信したのか、
マクビー、さすがにやり過ぎた。
12歳のエミーに始まり、
黒人メイドの心に付けいり、
外の世界を夢見る処女エドウィーナ(エリザベス・ハートマン)
ハートを鷲づかみにしたかと思うと、
若い淫乱キャロルに目移りし、
挙げ句の果てにマーサ園長にまで手を出してしまいます。

そして、階段から突き落とされたマクビーは
治りかけていた足を再び負傷し、
薬で眠らされているあいだに
なんと、右足を切断されてしまうのでした。
右足を糸ノコで切断するシーンは、なかなかエグい。
ここでもまだ、「壊疽を防ぐため」という
「人道的」口実
が用意されていますが、
マクビーの自由を奪うことが目的なのは明らか。
ベランダの桟にくくりつけられたカラスの二の舞です。

一度は激昂したマクビーでしたが、
エドウィーナと結婚することを理由に
学園からの脱出を試みるものの、
エミーが採集した毒キノコを食べさせられ、
無残に最後を迎えるのでした。
女性によるコミュニティの特異な陰湿さを
印象づけるスリラーですが、
南北戦争によって物理的な男手を失った女性たちの頑なな結束力と
行き場を失った情念をもてあましているという時代背景が
重要な役割を果たしていると思われ、
次第に南軍にとっての戦況が悪化していく過程が
女性たちが行き着く最後の行動に
少なからず影響を与えているのではないでしょうか。

とにかく、ハーレムが天国とは限らない……
ということを肝に銘ぜよ。





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