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カフカの「城」

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(原題:Das Schloß オーストリア・ドイツ合作/1997年 125分)
監督・脚本/ミヒャエル・ハネケ 原作/フランツ・カフカ 製作/ファイト・ハイドゥシュカ 音楽/マルク・パリソット 撮影/イジー・スチブル 編集/アンドレアス・プロシュスカ
出演/ウルリッヒ・ミューエ、ズザンネ・ロータ、フランク・ギーリング、フェリックス・アイトナー、ニコラウス・パリラ

概要とあらすじ
『カフカの「城」』(英題: The Castle)は、1997年にテレビ映画として制作されたオーストリア・ドイツ合作映画。フランツ・カフカの未完の小説『城』を、忠実に映像化。日本未公開作品。現在、DVDが販売されている。(Wikipediaより



だとしたら、激しく同意

TV用に制作されたという
ミヒャエル・ハネケ監督の『カフカの「城」』。
カフカとハネケという組み合わせが
すでに重苦しい感じを漂わせておりますが、
本編はそうでもありません。わりと。
『ファニーゲーム』と同じく1997年に制作された本作には
『ファニーゲーム』で悲惨な目に遭う夫婦役の
ウルリッヒ・ミューエスザンヌ・ロタール
恋人役で出演していたり、
殺人鬼役のフランク・ギーリング
謎の助手(二人組!)のひとりだったりします。
原作は10代の頃に読んだ記憶はあるものの、
まあ、ほとんど覚えておりません。
そういえば、カフカとカミュを交互に読んだりしてたなあ……
おかげでひねくれた人間になっちゃったなあ……。

とある村の「城」から依頼されたという
測量技師のK(ウルリッヒ・ミューエ)
雪が吹雪くなか、遠路はるばる村にたどり着いたKは
宿を取ろうとするものの、空きがないと断られます。
食堂の隅なら構わないといわれてしぶしぶ了承し、
客が飲み食いしている騒がしい食堂のベンチに
疲れた身体を横たえ、なんとか眠りについたと思ったら、
秘書の息子だという高圧的な男が現れ、
許可がないものはここにはいられないと
たたき起こされるのでした。

いわずもがなの不条理。
依頼されてやってきたはずなのに
測量の仕事などないといわれ、
よそ者として邪険に扱われるK。
遠くに見える(らしい。映画には登場しない)「城」に
行こうにもまったく辿り着けず、
長官だの村長だの秘書だの伝令だのが間に関わり、
まったく埒があかないのです。
このKの所在なさが
『ブレードランナー 2049』「K」
影響を与えているんでしょうか。
激しく雪が吹き付ける夜道を歩くKを
横からフォローするカメラから徒労感が滲み出ています。
(あと、いかにも肩が凝りそうなKの厚着)
また、ハネケ特有のぶつ切りの編集
神経を逆なでします。

村人たちはよそ者のKに対して冷淡なのですが、
完全に排斥しようとするわけでもなく、
なかにはKに同情的な村人がいたりするのが
ややこしい、というか、むずがゆい。
彼らはなにか目に見えないシステムのなかで
秩序を乱す異物に拒否反応を示しているようにみえ、
そのシステムの頂点に君臨するのが「城」であり、
「城」は神なのかもしれません。

Kが遭遇する理不尽、徒労、疎外感こそが
カフカの考える人生なのでしょうか。
(だとしたら、激しく同意)

Kは、長官クラムの情婦だという
フリーダ(ズザンネ・ロータ)
あっという間に恋に落ち、
ひとときの理解者を得ます。
しかし、そのかわりに測量技師の仕事は認められず、
小学校の用務員の職をあてがわれて、
暖房のない教室に寝泊まりすることに。
身も心もKに捧げる覚悟のフリーダは
他の場所への逃避行を願いますが、
なぜかKはこの土地に固執しているようす。

やがて、「城」に翻弄される惨めな被害者だったはずのKが
クラムとの交渉を目当てにフリーダと関係を持ったことや、
かつて「城」にいたという病弱な女性の息子からの
援助の申し出を受けたことが
打算的だと非難され、
違う意味で孤立してしまうのです。
Kをただの被害者でいさせないあたり、
厳しいなあと思いましたが、
これこそが人生の不条理なのでしょうか。

未完の原作に忠実に
「カフカの草稿はここで終わっている」という
テロップが出たあと、映画は唐突に終わります。
まあ、未完でなくとも
この物語に据わりのいい終わり方などないでしょう。
電話の音が鳴り続けるシーンに
ハネケらしさを感じます。





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